F街倶楽部
山本 芽生
デザイン工芸学科 映像メディア造形分野
インタラクティブアニメーション
作品「F街俱楽部」は、インタラクティブ(双方向性)アニメーション作品である。プレイヤーがポイント&クリックによってストーリーを展開していく、ゲームスタイルの作品である。ゲームといっても得点やスピードを競うような競技性のあるものではなく、サスペンス要素を持った謎解きを主要素として、ストーリーを解読していく形式となっている。大正ロマンをテーマに、作者のユニークなグラフィックで構成されており、細かなモチーフまで気を配り、独自の世界を作り上げている。プレーヤーを飽きさせない細かなギミック(仕掛け)が散りばめられており表現の深さを醸し出している。芸術学部の学生にとってはやや苦手意識のあるプログラムスクリプティングにも挑戦し、ユーザーインターフェイスにも芸術学部生らしい工夫が見られている点も評価に値する。こういった双方向性作品は過去の学生作品にも見られたが、ここまでの完成度を持った作品は稀少である。今後の後人育成の一つの指針としても価値ある作品と言える。
(「F街俱楽部」デモムービー)