• Faculty of Arts / Art Award

2025_板垣 樺乃_eternally

eternally 
板垣 樺乃
デザイン工芸学科金属造形分野
《金木犀》H2.1xW19.6xD20.4(cm)
《桜》H5.1xW21.9xD18.3(cm)
《椿》H5.2xW17.0xD19.3(cm)
Silver950、キュービックジルコニア、オレンジキュービック、ピンクキュービック、イエローキュービック、オレンジサファイア、イエローサファイア、シトリン、合成ルビー、
ピンクトルマリン、モルガナイト、イエローベリル

本作品は、花をモチーフとした三点組のジュエリー(ネックレス)作品です。
作者は、「花の命は短く、やがて枯れていくものだが、その姿を単なる終わりとして捉えるのではなく、形として残したい」という思いから、「永遠」をテーマにしたジュエリーの連作に取り組みました。
作者にとっての「永遠」とは、物質として残り続けることだけを意味するのではなく、見たものや感じたことが記憶として内在し続けることでもあり、その考えのもと、モチーフには作者自身の記憶に深く刻まれた花である金木犀、桜、椿の三種が選ばれ、それぞれが独立したネックレスとして表現されています。
本体素材はすべてシルバーで統一され、簡潔で抑制の効いた造形が基調となっています。一方で、花芯部分にはそれぞれの花の色彩を想起させる宝石が、繊細なグラデーションによって配されており、白銀の世界に静かな華やぎと奥行きを与えています。
技法自体は宝飾制作におけるオーソドックスな手法に基づくものですが、花の形態を捉える造形感覚や銀線の扱いには、作者の確かな美意識が認められます。三点を並べた際のバランスも良く、連作としての完成度と鑑賞性を備えた秀作となっています。